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20世紀少年 <第1章> 終わりの始まりのKUBOのレビュー・感想・評価

5.0
『20世紀少年』は浦沢直樹のマンガからハマって、公開当時も本当にワクワクして見た映画なので、ちょっと思い入れが激しい。

ケンジたちと完全に同世代の私にとっては、子供の頃を過ごした昭和の時代感、小ネタに至るまで、何もかもが楽しい。

冒頭から平凡パンチに「麻田奈美」!
→「GORO」買ってたかつての少年たちはよ〜く知ってるはず。

「荒井注」は先日亡くなった志村けんの前にドリフターズにいたメンバー。すぐ下ネタに走るところが好きだったなぁ。

スカートめくり
→かつて私も学級会で女子に訴えられた(^^)

初めて校内放送でロックが鳴り響いた!
→かつて私も「音楽観賞クラブ」で「映画音楽ならいいんですよね、先生」と確認した上で「007/死ぬのは奴らだ」サウンドトラックよりポール・マッカートニー&ウィングズの”Live and let die”をかけて、先生は怒りだし音楽室から出て行ってしまった。

「敷島」ってのは『鉄人28号』の敷島博士だし、最初に殺された被害者「金田正太郎」も『鉄人』からのオマージュ。

作品内では「秘密基地」が大きくフィーチャーされてるけど、私が住んでた世田谷の外れでも、通学路の途中の河川敷に、いわゆる「土管」というものがゴロゴロ置いてあり、よくここを基地にして遊んだもんだ。

「アベベみたいに裸足で走って〜」は東京オリンピック1964を知る世代じゃないとわからない。

「地球防衛軍バッチ」→元ネタは「科学特捜隊バッチ」これ昔欲しかったんだよな〜。

日活ロマンポルノのポスター→これは当時の子供たちはチラチラ見てましたね〜。ガン見は出来ずにチラチラ、チラチラ(^^)。

「サダキヨ」のお面は『忍者ハットリくん』。これは若い人でも知ってるかな? 香取慎吾で映画化してるし。

『忍者部隊月光』ごっこ→これはマジでやった! みんな新聞紙丸めて刀にして。

「お茶の水工科大学」は『鉄腕アトム』のお茶の水博士からのオマージュ。

「ケンジくん、遊びましょ」→実は、これが一番懐かしい。昔はみんな玄関でこう呼んだんだ。「はーい」じゃなければ「あーとーで」とか叫んで。the 昭和。


子供時代の1970年前後に対して、ケンジたちが大人になった2000年前の世界では一転して世紀末のムード満点になる。

物語のキーアイテムとなる「予言の書」は、もちろんあの『ノストラダムスの大予言』がベース。人類滅亡、世界の終わりと言った世紀末的な空気が、謎の教団を生むのも現実と同じ。

「トモダチ」の教団は言うまでもなく当時のオウム真理教を反映。オウムもサリンを使ったテロを起こしたが、本作でも猛毒の細菌兵器を世界にばら撒く。コロナで苦しむ今の世界にも被って、かなり怖い。

この現在(2000年前)の時間軸でも小ネタがいっぱい。

ユキジの犬の名前が「ブルー・スリー」

竜雷太(ゴリさん)の同僚刑事が「山さん」。で、竜雷太自身の役名は「長さん」。これはもちろん『太陽にほえろ』。

予言の書のロボットは、ほぼほぼ『鉄人28号』。

ケンジの姉の彼氏の名前は「諸星壇」(『ウルトラセブン』)。

「飛びます、飛びます」は当時流行していた鶴太郎のギャグ。

オッチョに指示を出してる電話の声は『チャーリーズ・エンジェル』のチャーリー(中村正)!

トモダチのロボットは大阪万博の「太陽の塔」!

さらに、井浦新が教団の坊主頭のちょい役で出てるとか、豊田順子アナが若い(!)とか。

エンドロール後の予告編まで、ワクワク、ドキドキ! 久しぶりに見てもちょーおもしろかった! さて、第二章へ!
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