くりふ

フレッシュ・ゴードン/SPACE WARSのくりふのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【ちんこ宇宙へ】

『フラッシュ・ゴードン』を下半身で楽しむ、ポルノ版パロディ。1978年、日本ではSW上陸商戦で当てるべく、一般公開されましたね。

劇場には行けませんでしたが、公開版のビデオは見たような…。ボカシとトリミングが凄まじかったような…記憶が少し、あります。画面下半分真っ黒とか。…何故なら真っ裸の女の子が立ちっ放しだから。今ではノーカット版DVDが見られる、程よく崩れた時代となりました。

地球に突如降り注ぐ、浴びると我を忘れ、その場で仲良くみな乱交!となってしまう謎の光線SEX-RAY。フリーセックス上等だった70年代、当時のアメリカなら渡りに船じゃん!とか思ったりもしますが、いきなりだと確かに、困った事態も出てまいります。例えば…

機長、我慢できません!
何とかしろ!
無理です!

…となる、とある機に乗ってしまうのが、主人公フレッシュ。その場でストリップ始めるヒロインのデイルちゃんと共に、いきなりの危機一発いや一髪をどう切り抜けるか!?と始まります。このあたり、地球上で大騒ぎしているうちが、けっこう面白いですね。性による常識破壊という70年代的テーマが潜むことも見逃せません。(←てきとうに考えた)

アレコレあって光線の発信元、ポルノ星を目指し飛び立つロケット!このロケットのデザインが、もー、まんまなんですね。…ちんこ型。

『2001年宇宙の旅』のディスカバリー号だったら精子型にして、ちょっとインテリにスカしてましたが、ポルノだと直球なんですね。

特筆すべきは、ヒロインのデイル役、スザンヌ・フィールズさん。どっかの風俗店から、指名少なくて暇だから連れてきました感、を強烈に醸していますが、IMDB見たら経歴厚く驚き!洋ピンベテランだ。

SEX-RAY一回目でおっぱい放出、二回目ですっぽんぽんになって、そのまーんまずっと物語が進んじゃう…といううぷぷな展開なのに、堂に入ったすっぽんぽんぶりだったのはそういうことか。参りました。でも本番中に吹き出すのはNGですよ。てか、そんなNGカット使うなよ(呆)。

ポルノ星に行ってからは、お話はどうでもよくなってきますが、星の地下ではしっかり、ウーマンリブが蠢いているところが70年代。

で、こっちでも乱交やってますが、このイメージがやっぱり70年代。ちゃんと時代が刻印されているように錯覚できて、感心しちゃった。

ポルノ星での見どころは特撮ですね。特にパペットアニメーション。スタッフが実は、デヴィッド・アレン、リック・ベイカー、ジム・ダンフォース、デニス・ミューレン、という錚々たるメンバー。

ハリーハウゼン作品に負けない、ち密なチャンバラがあったり、世界観にまるで合わぬ、幻想風スワン型飛行艇が、星空を駆けたり。物語は置いといて、これらの映像を楽しむのが後半のポイントかと。

そして被り物で一番は、やっぱアレでしょう…ちんこドリルロボ。オトナだから被ってませんが。ほんと、ちんこばっか。ぺ二ザウルスってのも出てきますね、トホ。

全体では無論トホホな出来ですが、巧い、と大爆笑の所もありました。嫌なSEX-RAYを浴び、でも一戦終わってみれば…の満足気リアクション。

セックスの効能を、実に人間くさくポロリと零す名シーンでした。こういうところは、こういう作品じゃないと出せない味だと思います。

<2013.4.16記>
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