とみー

最後の一人のとみーのネタバレレビュー・内容・結末

最後の一人(1930年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

蓮實御大のトーク付き上映はやはり良かったー!夢にゴダールが出てきて、スイスでは生きててフランスでは死んでる設定で困惑して、ゴダールに夢で惑わされることが少々不愉快だと言っていた。こういう些細な内容もちゃんと映画の内容に沿っていて、観ると納得するのは流石だなあと思った。
で、英題は『Men Without Women』のに序盤ふつうに女がたくさん出てきて、なのにクレジットには女優の名前が載っていないのも興味深い。御大も女優名わかる人いたらこっそり教えてくれって言ってた笑

序盤に出てくる世界で一番長いと言われるバーの喧騒と女の色気と生気、大海原で沈んでいく船の中の静けさと男臭さと絶望感と死の雰囲気の二つが正反対で、対比で強い印象を与えていた。
サイレントからトーキーへの過渡期に作られた作品なだけあって画質音質の面で少々難を感じた。
ストーリーは説明不足で観客を置いてどんどん進んでいくので、魚雷で救出されるシーン等の冗長になる部分を省略して、登場人物や舞台背景の説明に尺を使った方が良い気もした。まあ時代が違うので当時に於いては上海、軍艦、悪天候で大まかに想像できるような共通認識があったのだろうが…。

それにしても、ジョンフォードの作品で場面の切り替わり等に使われる文字フォントは本当にお洒落でセンスあるなー