引鉄

メアリーと秘密の王国の引鉄のレビュー・感想・評価

メアリーと秘密の王国(2013年製作の映画)
4.7
 ブルースカイスタジオ作品では一番好き。
 CG技術はここまで進化したのかと感激するほど、女王が水面を歩くシーンの美しさは是非注目して欲しい。植物もリアルで、小人たちの王国も美しいです。背景がとにかく良い。
 ストーリーも綺麗に起承転結しています。
 そして登場人物たち。ヒロインのメアリーは、この類のファミリー映画には珍しく少女と呼べる年齢を少し過ぎたあたりの学生です。大人びていて、難しい年頃、そんな雰囲気が彼女の表情や仕草で表れていて、とても可愛らしい。ちょっとした仕草などが現代の女の子っぽくて堪りません。
 ノッドとの男女模様も主軸の邪魔にならない程度に散りばめられており、甘酸っぱいです。
 あとはやっぱりローニンですね。ローニンのあの女王に対する忠実さと堅実さ。彼なくしてこの作品は栄えないでしょう。
 メアリー、ノッド、ローニンの三人の成長が一本の映画に上手く収まっています。カタツムリとナメクジも良い味出してます。
 そして何より音楽。ダニー・エルフマン!どの曲も美しくファンタジックで、あらゆるシーンに素晴らしい色付けをしてくれています。音楽だけで完成された作品。サントラも是非。
 日本では劇場公開されなかったけれど、その分吹替えも本職の声優さんたちが当てているので、字幕でも吹替えでも楽しめます。どちらもそれぞれ良いので、是非どちらのパターンも観て欲しい。
 ところでわざわざ邦題を「メアリーと秘密の王国」にしていますが、メアリー・キャサリンは本編では大体MKと呼ばれているのだから、題名は「epic」のままでも良かったように思います。
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