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早熟のアイオワのshunのレビュー・感想・評価

早熟のアイオワ(2008年製作の映画)
3.6
クロエ・グレース・モレッツとジェニファー・ローレンス目当てで観てみました

ブレイク前のこの二人をキャスティングした人先見の明があるなあ
若いながら二人ともこの時から上手いし印象的な演技

1976年アメリカ中部のアイオワ州の田舎が舞台。監督の実体験を元に映画化したというのには驚きました。
とにかく劣悪で過酷な環境で生きる少女の物語

町全体が貧しいっぽい感じで白人と黒人の比は半々くらい。70年代の話ですが人種含め差別の描写は全然無い
全員が貧困に苦しむ中でそれぞれ生きている様子が描かれている。
三人姉妹のうち下の妹二人の部分は明るく楽しいので全体的に重すぎるということはありません

当時17歳のジェニファー・ローレンス、14歳の役でしたが初々しいながらも上手でした。売春婦の母親代わりに妹たちの面倒を見る少女を熱演しています。この母親が酷すぎる。アルコールとクスリ漬けで娘よりも自分に暴力を振るうような男を選ぶような人
お風呂のシーンとその前後はジェニファーと母親役セルマ・ブレアの演技が冴え渡っていた

それにしてもクロエ・グレース・モレッツは凄いなあ、、当時10歳くらいでしょうか?いつも友人の家に泊まり日中はバーへ行って大人みたいに喋りまくる女の子を演じています。チェリーたっぷりオレンジジュースとか隣の黒人のおじさんとの会話とか面白かった。まさに末っ子という感じ
自信たっぷりな子供っぽさとか色んなことに疑問を持ってなんでも口に出す所とか、大人っぽかったり幼さが残ってたりと難しい役を上手にこなしてた
そして何よりかわいい。ほんとに天使のかわいさ  

最後の車内の雰囲気大好き。あの後だって三人は苦労の連続だろうけどあの一瞬に姉妹の暖かい絆が詰まっていた。それまで3人一緒のシーンが一切無いのがこのシーンの良さを際立たせてる
"Ain't no mountain high enough..."

他の方も書かれていますがとにかく邦題と日本版ポスターが酷い!数年前のことに今更言ってもどうにもならないけどこれは酷すぎる
なぜそのまま原題直訳で「ポーカーハウス」じゃだめなのか??
彼女たちにとって居場所の無い"家"であり悪夢の根源でもある場所。
そもそも"早熟"とつける意味が分からないし実体験を元に作った監督に失礼すぎないか?
ポスターもブレイク後に日本で人気の出た二人の薄着を強調したいのか何なのか知らんけどそれでこの映画観ようと思う人ってそんないるのか?と思ってしまいます
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