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コーヒーをめぐる冒険のmochikunのレビュー・感想・評価

コーヒーをめぐる冒険(2012年製作の映画)
3.3
おそらく、というか絶対に、村上春樹の「羊をめぐる冒険」を捩った邦題だと思うんですけども、「色彩を持たないニコフィッシャーと、彼の巡礼の日」っていうのでもアリなんじゃないかと思いました。でも、それではあまりにもあんまりですよね。

いわゆるモラトリアムを謳歌している主人公のニコ君は、親の金でここ二年間くらいノラリクラリ生きているドラ息子。若さ故に自分ってなんだろう? 自分に向いてることってなに? そんなことを日々考えているようです。その気持ち分からなくもありませんが、実際のところそんなもの本当は無いんですよね。
掌編小説を寄せ集めたような構成に、一発芸的なキャラクターが次から次へとニコ君の前に現れては消えていきますが、僕が印象に残ったのは、マッツェとリクライニングの椅子に座ったお婆ちゃんと最後のバーで出会ったお爺ちゃんでしょう。なかでもお爺ちゃんの最後の懺悔とも受け取れる告白は、ドイツ人ならではの傷跡ではないでしょうか。

何はともあれアマゾンでブルーレイぽちりました。面白かったです。
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