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愛の嵐のyokoのレビュー・感想・評価

愛の嵐(1973年製作の映画)
4.6
面白いのだが主人公のおじさんにナチス的な怖さがない。どちらかというと森進一である。それか金融系youtuber高橋ダン、なんか表情筋や雰囲気が緩いのよね。クリストフヴァルツとかダニエルクレイグみたいな冷笑感が欲しい。しかしそうするとただの美男美女のロマンスになってしまい看守と囚われた少女の倒錯、悲しみ、滑稽さがでないかもしれない。

ナチス同胞のプリ尻ダンサー、片眼鏡の弁護士等キャラの強烈さを考えるとあのダサ目のおっさんでむしろ良かったのだろう。逆にヒロインは少女役とはいえ老け顔というか、男顔。ランプリングは昔からエヴァグリーン的な人を品定めする目つきは変わらない。若干腫ぼったい瞼と三白眼ぽい瞳が挑戦的であり批評的、だからこそ看守のおじさんと対等感が出てくる。「ナチスの看守にただ好き放題された純粋な被害者」で終わらせない印象を与えた彼女の表情が作品を成功に導いた。

いかに美女といえモンチッチが似合うのはランプリングとエマワトソンくらいだろう。
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