飯

愛の嵐の飯のレビュー・感想・評価

愛の嵐(1973年製作の映画)
4.0
渡辺淳一の著作『男というもの』の中で、「肉体の記憶」という章が性欲が理性における制御作用を論じた時に挙げた一つの例は本作である。(もう一つの例はジェーン・カンピオンの『ピアノ・レッスン』だった)
渡辺の論調は性の意義を誇張しているようだ。感情のない純粋な性行為が愛を生み出せるかどうかに疑問を抱く。

ポルノというより宗教物語
サドマゾキズムというより精神的救済

ヒロインが主体性を失った時点から、快楽というものも滅びる(あるいは一方的な快楽だけ存在する)、機械運転のように情欲が流失していく。映画を完結させる唯一の手段が「死」になる。映画内部のサドマゾキズムが外部に浸透させる野望も死によって中断される。

『小さな恋のメロディ』の究極母体かな。この作品は。
飯