あ

冬冬の夏休みのあのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
4.3
前半は、全裸の少年たちの疾走といい、どこかフェリーニのアマルコルドみたいな調子でしたが、後半に行くにつれて、儒教的な価値観のストーリーに、どこか小津映画みたいな調子が入ってきて、全体として不思議な空気がありました。

ありがちな説明口調でくどい兄妹の夏物語かと思いきや、意外と挑戦的なことをやってて驚きました。特に電車です。おじいさんが息子を勘当するところなんか、丁度電車が来るタイミングに木を挟んで綺麗に二人を並べて、電車が過ぎ去ったらおじいさんがバイクをぶっ壊すのを冬冬の主観のワンカットでやってのけていました。また、線路に倒れた妹を寒子が救出するシーンもかなり危ないことやってましたね。

二件の妊娠劇に強盗劇に、様々な物語を上手く交錯させていたところもよかったです。特に妹の行動や目撃、そして台北の弱った母が冬冬の周辺に面白さを生み出していました。
あ