福福吉吉

泣く男の福福吉吉のレビュー・感想・評価

泣く男(2014年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
アメリカの組織の殺し屋のゴンはある日、ターゲットの暗殺中に誤ってそのターゲットの娘・ユミを殺してしまう。ゴンは強く罪悪感を持つが、組織はゴンが殺したターゲットの持つ重要な情報を手に入れるため、ユミの母のモギョンを殺すようゴンに命令する。

◆感想◆
母に捨てられた過去を持つ殺し屋・ゴン(チャン・ドンゴン)が殺した娘の母・モギョン(キム・ミニ)を依頼され、苦悩する中、モギョンを追う姿を描いた作品であり、ゴンの殺し屋に染まった精神の中で、娘を思い泣き崩れるモギョンの姿に母の面影を思い出して葛藤するなどのゴンの心情の変化と殺し屋同士の激しい戦闘アクションが見どころとなっています。

前述のとおり、ゴンは母に幼い頃に捨てられて以来、マフィアの殺し屋として生きていましたが、幼い娘のユミを殺してしまったことにより、彼は罪の意識にさいなまれます。このあたり、表面上の非情さとは裏腹に心の奥には情に厚い部分を感じずにはいられず、感情移入してしまうキャラクターでした。

一方、ユミの母のモギョンは投資会社の取締役として敏腕をふるっていますが、その裏では認知症を患う母の介護に懸命な姿や亡くしたユミのことで悲しみに暮れる姿などとても辛い心情の中で生きており、こちらも感情移入できるキャラクターでした。

ストーリー前半では、ゴンがモギョンと接触を果たすまでを描いており、比較的静かに進んでいきますが、後半になると韓国に殺し屋が集まって過激なバトルを繰り広げます。血反吐と銃弾が飛び交う戦闘シーンの凄まじさは見応えがありました。ハラハラドキドキの連続の中でゴンとモギョンの結末まで一気に加速していきますので観ていてあっという間に過ぎていきました。

ラストは予想の範疇にはありましたが、激しい戦闘の末に得られた結末として相応しいものだったと思います。タイトル回収もしっかりしていました。

とても面白い作品でした。

鑑賞日:2024年1月14日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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