レスリングのロサンゼルスオリンピック金メダリスト、マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)はデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)が結成したチーム、フォックスキャッチャーに招かれ、後にマークの兄デイヴ(マーク・ラファロ)も参加する。しかし、代表チームのコーチ職に固執するデュポンは、次第に精神面の異常さを見せ始める。
「カポーティ」「マネーボール」のベネット・ミラー監督による衝撃作。これが実話だというから恐ろしい。
とにかくスティーヴ・カレルの演技が最初から不気味すぎる。ジョン・デュポンという人物は謎が多く、映画を観ただけでは背景もわからず想像するしかないが、母親からの抑圧と期待に行き場がなかったのではないだろうか。また、その母親への依存と同性愛の影も見える。
最後は母親の死によって、心の迷走の歯止めが利かなくなったのだろうか。
でも、家族の前でいきなりなんて、あまりに悲惨だ。
兄弟役のチャニング・テイタムとマーク・ラファロの演技もすごい。レスリングのシーンももちろん、それぞれに悩んだり頼ったり、思いやったりする様子はリアルだ。
でも、この映画は暗すぎるし、観てるのがつらかった。