父親のあるべき姿とは何なのか、多様性を受け入れ始めている社会だからこそ一石が投じられているのではないか。そんな作品。
記憶だけがコピーされた人間は元の人間と何が違うのかという哲学的な問題についても我々に考える余地を与えてくれる。記憶とはただのデータではないのだろう。人間の心が身体無しでは成立しないように、記憶もまた、身体と結びついているのだと感じる。
本筋のところではないが、「意外と簡単なんだね、大人の階段上るのって」「ぼんやり昇っちゃうと大人になってから大変なんだって」というやり取りはハッとさせられる。