片鱗ヘンリー

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃんの片鱗ヘンリーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

文句なしのsf映画傑作。
コミカルな部分が少なければ真面目に見れたかなぁ?
敵のアジトの屏風が「金色夜叉」だったり、「大人の階段〜」でぼーちゃんが「H2o」と返している大人向けの小ネタにクスリ。
登場人物達の細い表情など限られた表現でここまで出来るとは驚き!

SF的観点とジェンダー的観点で述べていきます。

SF的観点から、この映画は父と家族の関係というよりも、ヒロシの人格を突然持ってしまったあるロボットの一生という映画に思えました。ロボットは人間を模した存在であり、人の二番煎じに成らざるを得ません。もし、私達が今まで自分は自分と思っていた時に、自分そっくりな人が現れた時どう感じますか? この映画には、コピーの人格に対する哲学的な疑問を投げかけています。
私も最初、psycho pass の
シュビラシステムの様に脳をリンクさせているものかと思っていました。

ジェンダー的観点からは、女性の社会活躍が叫ばれていて、家事をしない男が叩かれる時代によく男尊女卑の描写を入れたと思いました。
「ちちゆれ」同盟で結託された父親たちが、女性専用車両やレディースデーに反発する姿は丸でTwitterでしか声を上げられないミソジニーに思え、正直恐怖でしかなかった。
黒幕の署長は、まさにTwitterで女叩きをするミソジニストです。
戦前の様な家族階級に戻っても問題は解決されないというメッセージが伝わりました。
やはり、男女均等に意見が言える世の中が良いですね。