藤川

X-MEN:フューチャー&パストの藤川のレビュー・感想・評価

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)
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再見。
これまでのX-MENシリーズのある種倒錯したまま展開されてきた時間軸を、作劇上の必要要素としてポジティブに回収したばかりか、この一作を基点として過去も未来もスピンオフのストーリーをも改めてひとつに繋げ直す役割を見事に果たしている。製作者たちの過去作への眼差しの真摯さと、緻密な脚本構築への努力が垣間見れ、とても美しい気持ちになれる映画。
2024年に見直して感じることだが、昨今のヒーロー映画とそのフィルムメイカーたちがどうも扱いに苦心し持て余している感の否めない「マルチバース」という観念を、既に2014年のこの一作が、この一作で、あまりに端的かつ慎ましやかに提示(無限に並行しながら存在する"可能性"としての宇宙と、時間の矢が過去と未来の相互から絡み合い、影響し合うという四次元的な世界観)していたことは、改めて評価されるべきことだろうと思う。
藤川

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