りょう

イコライザーのりょうのレビュー・感想・評価

イコライザー(2014年製作の映画)
3.8
 当時はB級っぽいジャンル映画だと思い、なんとなくスルーしていましたが、「THE FINAL」の評判がいいので、1作目から観ることにしました。
 正直なところ、かなり硬派な作風で驚きました。物語そのものに奥深いものはありませんが、少し凝った映像や演出など、B級とは無縁の雰囲気です。まったく予備知識なく観たので、序盤のマッコールは、「この神経質なおじさんは何者?」としか思えませんが、最初にスラヴィの一味を惨殺するところで圧倒されました。
 彼のスキルには、どんなシチュエーションでも相手を制圧できるメソッドが確立されていて、それは日常のルーティンでもうまく表現されていました。現役を引退したこの年代のおじさんたちにありがちな行動様式です。
 ホームセンターの強盗や同僚の母親から搾取する汚職警官とか、彼に制裁される悪人がたくさん登場しますが、直接の暴力を描かないところも少なくありません。ただ、血まみれの割れたサングラスとか、彼の手際よい“仕事”っぷりをわかりやすく表現しています。血を拭きとっただけのハンマーをホームセンターの陳列に平然と戻すのはいかがなものかと…。
 マッコールの“カムバック”のきっかけになったアリーナが序盤とエンディングにしか登場しませんが、彼が彼女のために何をやったのかわからないままという意味では、とても効果的な演出でした。クロエ・グレース・モレッツは「キック・アス」のヒット・ガールのイメージがあるので、アクション映画の役柄としては、ちょっと物足りないところでしたが…。
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