グリーンツー

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

まずは、中国資本の威力を思い切り感じた。まさかアリスにチャイナドレスを着せるとは。おまけに中国に航海していた設定。更にラストでは風景に漢字まで。ここまでやったら、当時の中国はイギリスと対等の貿易国だと誤解する人も少なくない。実際は清という皇帝が治める国で、しかも当時はアヘン戦争でイギリスに負けて南京条約を結ばされ、更にそこへフランスやアメリカ、ロシアなども加わり、半植民地化されてほとんど国家の体をなしていなかった。で、アリスがイギリスから清に行ったならその時運んでいたのはアヘンだった可能性もある。そう考えたらなかなか恐ろしい設定。

また、本来の「不思議の国のアリス」とは違いやけにSFチック。序盤を見逃したら、21世紀のストーリーだと思う人も少なくないと思う。

とまあ、設定にはかなり無茶がある。でもストーリー自体は好き。今回は本当の意味での「敵」や「悪い奴」がいない。それはこの作品のメッセージ「過去は変えられないけど、過去から学ぶことは出来る」にも通じている。だから序盤と終盤にではアリスも含めて主義主張が変わるキャラクター、イメージが変わるキャラクターがかなり多い。

だから、はっきり言ってディズニーらしくないし、みんなが期待していた「アリス」ではないと思う。個人的にはこれはこれで楽しいと思ったけど、そう感じた人は少ないかも…とも思った。