MayumiM

イーダのMayumiMのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.8
60年代を舞台にした60年代のようなフィルムワークで製作された一作。シンプルに孤児として育った少女の物語だと思っていたら、叔母さんから「ユダヤ人よ」と云われてコッチまでビックリした……というのは秘密です(笑)。
ともあれ、WW2とはイーダの世代にとっては知らない世界だけど、叔母さんにとっては半生を蹂躙された時代。そんな叔母さんの前に無垢なままのイーダが登場したことで、もしかしたら……と息子の生存を期待したんだろうなァ。なのに結局……という流れの方にこそグッと来てしまったのは、ワタシが叔母さんの年齢に近いせいかも(笑)。
ともあれ(再)、自分の成り立ちと叔母さんの死によって疑問を抱えて還俗し、けれど甘やかな夢を一夜の恋人ともに置いてきたイーダの姿はまさにマグダラのマリアのよう。

それにしても、ユダヤ人を虐殺されまくったアト、ご先祖の墓の文字通りの荒れ放題ぶりに民族浄化ってこういうコトか……と改めてゾッとした。
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