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チョコレートドーナツのmasayaのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
3.9
トラヴィス・ファイン監督によるLGBTQというよりも"偏見"をテーマとした作品。
正直言ってゲイとかBLを扱った作品は苦手だ。
ブロークバックマウンテンでゲイものを克服出来たかと思ったが、前半はかなりキツかった。
fil友さんにももう無理かもと弱音を吐いたし、よほどリタイアしようかと思った。
(もう吐きそうとか言ってごめんなさい)

1979年のカリフォルニアを舞台にアラン・カミング演じるルディとギャレット・ディラハント演じるポールのゲイカップルが、ダウン症のマルコを薬物中毒で育児放棄の母親から引き取り育てようと奮闘する物語。
しかしそこには"偏見"や"法律"という高い壁が立ちはだかる。
ゲイ、障害者、人種、仕事に対する偏見─
そして本来、弱者を守るべきはずの法律が彼らの足を引っ張る─

法廷での判事や検察官の態度には辟易して怒りを覚えたし、誰のための裁判なのか法律なのか─
証言してくれた人々や他の人たちは皆何が最善なのか理解しているにも関わらずだ。

切なくやるせない想い、感情は、最後のポールの手紙でわずかに救われる。
それがその後の偏見の是正に少しでも役だったのであれば、それはハッピーエンドととらえる事もできる。

ルディが最後に魂を爆発させて歌うシーンは圧巻だ。
歌っている曲はボブ・ディランの解放を求める名曲「I Shall Be Released」だ。
歌詞の中に出てくる「Any Day Now(いつの日か)」は本作の原題にもなっている。
この歌を聴くだけでもこの作品を観る価値は十分にあるだろう。

✨ありがとう✨あちゃん😉
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