この作品を見終わってから、受付で「チョコレートドーナツのプログラム」といったんだ。
そしたら、「チョコレートドーナツ」と「プログラム」が出てきた。
えっと思ったが、そのまま買った。
そして食べたチョコレートドーナツの味は、ちょっぴりしょっぱかった。
この味はもちろん、作品を観て自然と流れた涙の味だ。
久々に全ての人に見て欲しい、自信をもってオススメする映画に出会った。
一切の無駄のない構成、すばらしい役者たち(中でもアラン・カミングの凛とした美しさたるや!)、音楽も非常に物語で重要な役割を果たしている。
97分という尺をいい意味で感じさせない、深く染み渡る話だ。
劇中のあるシーンで、思わず持っていた飲み物をスクリーンに投げつけたくなるほどの怒りに震えた。
またあるシーンでは自分が彼らと一緒に笑顔に溢れた日々を過ごしているような幸せな気分になった。
激しく感情が揺さぶられ、そして、迎えるラスト。
単なるお涙ちょうだいではない、マイノリティを扱ったただの社会派とも違う、非常に「人間の話」だ。多くの人が、気にも留めない人間の。