このレビューはネタバレを含みます
なんで三人が一緒にいられないんだろう、どうして家族だってわかってくれないんだろうと思った。
マルコの学校の先生も言っていたけれど、親に性生活があるのは普通のことで、それは子供との関係とは離れた領域のことなのに、そんなカップルのプライベートな部分を一方的に攻め立てるのはおかしいと思った。また女性判事の言葉から、そうか同性愛は隠さなければならないという認識なのか……という気持ちになった。
ルディはマルコのことを障害があるのは自分が望んだことではないと言っていたけれど、それは自分が同性愛者であることも同じだからなんだろうな。
ゲイバーの同僚の「人並みの家庭ぶって」という言葉や相手の弁護士の言う「愛に餓えた二人の男」という言葉は悪意があるけれど、でもマルコと一緒にいることで幸せを得て満たされたかった気持ちがルディにはあったと思うから、ある種真実を捉えている部分もあるとは思った。でもお互いが好きで必要としあっている人たちなんだから、一緒にいていいんだと思う。
マルコの幸せがないがしろにされていたことがつらい。ここまでして三人を引き離そうとするのは、同性愛に対する否定と自分たちが正しいと思う型にはめたいという願望のせいなんだろうな。子供の幸せのために裁判をしてほしかった。
(あとストーリーとは直接は関係ないけれど、ルディは英語を話しているのに字幕に女性の役割語を使うことで彼のセクシャリティを表現しようとするのって、日本語的でいい気もするけれど元が英語だということを考えるとどうなんだろうかという気もする。)