Koshii

フルートベール駅でのKoshiiのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
3.7
うーん難しい、どう思ったらいいんだろう。どう感じとったらいいんだろう。

今日でも、度々ニュースとして取り上げられる黒人が白人警官によって射殺される事件。

本作も同様に差別の問題だと、単に捉えていいものだろうか。



以下、ネタバレや感想を含みます。














懸命に生きようとする人の命が、ある日突然途絶えてしまい、当たり前に存在するはずだった未来は失われる。その人物がどんな人であったとしても、周囲に悲しい波紋を生む。

警察官は、「騒ぎを起こしたやつらは出てこい」と言った。オスカーらは暴力を振るわれた側であり、巻き込まれてしまっただけであるものの、関係者であることには変わりはない。「冷静でいろ」というのは無理であるが、差別問題を抜きにしても素直に従うべきだったのではないだろうか。

おそらく、根底には警察官達に確かな差別の意はあったのだろうが、、

そんな唐突な警察官の理不尽さは彼らの怒りにより一層油を注いだ形となり、最悪な方法で幕を下ろした。

無抵抗のオスカーに対して引き金を引いてしまった警察官が糾弾されることには納得なのだが、どういう理由であれ麻薬所持やキセル乗車など犯罪に関わっていたオスカーが英雄視されることは少し疑問である。

この差別問題の重みを、日本人である私が現地の人達同様に感じとることはなかなか難しいのだろう。
Koshii

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