Ryo

プリズナーズのRyoのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.1
娯楽も最高ながらキリスト教的ストーリー、伏線、芸術性などすべて一品。

ー自警主義ー
サンクスギビングの日娘は133日前に無くしたホイッスルを取りに行くといった。その日は2013/11/28でありその133日前は7/18。ローマの大火と呼ばれる大事件が起きた日。それにより役人には任せられないと消防団が結成された。そこがケラーの自警主義につながってくる。


ーロキとケラーー
ロキ(北欧神話の神から由来)は、ケラーと違って多様な価値観を許容し、その経験と知恵を結集して犯人を追い詰めようとする。凡百の映画なら、“ホームズ役”の彼が最初に真相に到達することだろう。しかしこの映画で、誰よりも早く真犯人にたどり着くのはケラー! 彼は神の導きによって、悪魔(=ホリー)と対峙する権利を得るのだ。

ところがこの悪魔に鉄槌を下すのはロキの方で、ケラーは悪魔の策略によって地下室に閉じ込められてしまう。どちらか一方だけでは、事件解決には至らない。“宗教に囚われている男”ケラーと、“合理主義に囚われている男”ロキが共闘することによって、ようやく真相が明るみになるのだ。

ープリズナーはだれかー
1人目のプリズナーはヒュージャックマンに監禁されたポールダノの演じたアレックスだろう。地下室でミイラ化していた遺体、迷路の家に住んでいた犯人らしき人物、誘拐された娘達など。そして次はこの事件に取り憑かれ地下室に閉じ込められたヒュージャックマン自身である。一つの考えに囚われ長い間間違った選択をしていたその罰として地下室の囚人となる。しかしどうか娘をお守りくださいと心に縛られていた鎖がとかれ助かったのだろう。

ーアレックスは結局だれ?ー
真犯人であった叔母の夫は16人の子供を誘拐しあのネックレスを使って洗脳してたという事も映画内で語られる。アレックスとは毎朝誘拐された息子のビデオをみる母の子である事がわかり単に洗脳され機械のようにされていただけであった。その為最後の方では僕はアレックスじゃないと話してる。誘拐犯を捕まえようとする主人公は逆に誘拐犯となる皮肉なのだ。
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