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シンプル・シモンのeigajikouのレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
4.1
公開初日にユーロスペースで見た。

ビル・スカルスガルドはハリウッドに進出して今は若い人にはアレキサンダーやグスタフより認知度高いの?もしかして父さんより?驚いた💦
「IT」効果だよね?すごいな。

2014年当時ブログに買いた記事を再編集して貼っておきます↓

近年発達障害の認知度も高まってはきていて、
アスペルガー症候群についても、
ネットに簡易な診断テストがあったりします。
「アスぺ」っぽいとか冗談で使われたりしますが、
症状も人それぞれで幅が広いです。
この映画の主人公のシモンの行動には、
誇張があると感じる方もいるでしょう。
ただ、パンフにある脚本家ヨナタン・シェーベルイの
インタビューには、
この映画を観たアスペルガー症候群の当事者の
9割の人たちは好意的に受け取ったとのことです。
私は保育園で知的障害のある自閉症のお子さんの
お世話をしていたことがあります。
障碍を抱えた方ご本人や家族のご苦労は、
当事者でなければ分からないことがたくさんあって、
軽々しいことは書けません。
私は『チョコレート・ドーナツ』は、
障碍を抱えた方子どもを、
社会的なケアもなく、
1人で育てている母親の立場への配慮が欠けており、
そこが気になってしまいました。
『シンプル・シモン』については、
好評な記事が多いですが、
アスペルガー症候群を利用しただけだ。
という厳しいご意見のブログ記事も目にしました。
ただ、私はこの映画には障碍を利用したという
あざとさは感じませんでした。
社会福祉が発達した北欧スウェーデンなので、
そこはリサーチもしっかりされています。
上記のヨナタン・シェーベルイ氏は、
社会精神医学の仕事に関わった経験があるそうです。
北欧デザインの家具やファッション、
ポップでセンスのいい音楽も話題の
手作り感がいっぱいの楽しい作品です。
パンフのコメントにカジヒデキ氏が
「ウェス・アンダーソン×アメリ×スウェディッシュ・ポップ」
とたとえていました。
確かにウェス・アンダーソンを連想しますが、
彼ほど計算しつくされていない所が人間味を感じて好印象。
(ウェス・アンダーソンも好きですけどネ)
私はシモンがこもるロケットにはラッセ・ハルストレム監督
『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』へのオマージュ感じ、
ウェスより好きなミシェル・ゴンドリー監督の
『恋愛睡眠のすすめ』思いだし、ミシェル・ゴンドリーのクラフト感と似た楽しさ味わいました。
『シンプル・シモン』は、作り手の真摯な姿勢も伝わってきて、
好感の持てる作品だと思います。

アンドレアス・エーマン監督は1985年生まれの若い監督です。
『シンプル・シモン』は2010年の作品なので25歳でした。
その後「Bitchkram」(2012年)と短編2本、
そして今年の新作「Remake」を共同監督で撮っています。
「Remake」には『シンプル・シモン』で、
シモンの兄サム役の
マッティン・ヴァルストレムが出ています。
いつもカメラを持ち歩いて映画を撮っている
リサ(Lisa Henni)が主人公の三角関係を描いたドラマのようです。
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