けんさん

太秦ライムライトのけんさんのレビュー・感想・評価

太秦ライムライト(2013年製作の映画)
4.5
日本人なら間違いなく、誰もがTVや映画で見たことがあるはず。

でもその人が誰なのか明確に答えられる人は案外少ないのではないか?

そう、その人こそが、福本清三さん。
異名「50,000回斬られた男」

時代劇、現代劇に関わらず、50年以上もの間、「斬られ役」や「殺され役」を演じてこられた。

またその熟練した演技が評価され、ハリウッド映画「ラスト・サムライ」にも出演。

そのことから生まれた福本さんの「どこかで誰かが見ていてくれる」の言葉が、多くの無名俳優や大部屋俳優の励みになっているとのこと。

その福本さんが何と主役で出演した!
のがこの作品「太秦ライムライト」

極端な言い方で反感を買うかも知れないが、この作品は、ストーリーのことは少し横に置いておいて、とにかく福本さんを観て欲しい。
福本さんの演技、お人柄、生き様を・・・

特にラストの殺陣。
福本さんの卓越した演技の真骨頂がスクリーンを通して惜しみなく溢れだし、真のラストシーンは感動と言う言葉を遥かに超えて背中がゾクゾクする。

もう、この「斬られる美しさ」は、完全に演技を超えた芸術の世界だ!

本当に「素晴らしい」としか言いようがない。

時代劇が好きな人でないと・・・と思っていた作品だったが、「日本人なら是非一度は観て下さい!」と頭を下げて回りたいぐらいにハマってしまった作品だった。

最後にこんな素晴らしい作品があったことを気づかせていただいた「ろっち」さん、有難う!

本当に痺れました!

追伸
・主人公の故郷での夕日をバックにした山本千尋との太刀稽古のシーンが美し過ぎる。
・松方弘樹の太刀さばきとあの特有の表情は言うことなし!
・また殺陣のシーンにCGを使う日本の時代劇に警鐘を鳴らしているストーリー立てもお見逃しなく。
けんさん

けんさん