テロメア

リベンジャーのテロメアのレビュー・感想・評価

リベンジャー(2011年製作の映画)
3.5
往年のハリウッド映画のように、一人で全部解決しちゃいます主人公。

こういう系の主人公がいたら、警察などの治安組織は基本的に後処理係。映画が終わったあと、彼らが後片付けしてくれます、というちょっとしたリアリティのためにある。必要だが劇中ではまったく活躍しない。まあ、拳で解決する主人公の邪魔にならなくていいけどね。

主人公は現代医療から離れ、謎の薬草と謎のムエタイマスターにより謎の復活を遂げ、二十年間のムエタイ修行を遂げたのちに、両親の仇討ちのために街へと戻る。もやは、マーベル映画を筆頭にアメコミヒーロー溢れる時代では、謎のムエタイマスターによる復活劇はスーパーヒーロー誕生にしか見えんかった。ムエタイパワーで倒しまくるだけだがな。あの謎の薬草は何だったのか。

制作年を見れば今から十年前とは思えないほど、酷い酷いカメラワークに暗い場面ではよく見えず、最初のシーン辺りではカメラレンズに水滴がついたままの映像、その水滴に意味はない辺り何も考えてないんだろうなぁ、という残念さ。しかし、あの『マッハ!』からトニー・ジャーを出し、ムエタイアクションを世界に広げたタイには、まだまだムエタイマスターがいるというのは良いニュース(何人か見たことはあるが、この役者さんは知らなかったし)。

カメラアングルとか最悪だけど、何にも考えずに見られる脳筋映画としてはちょいとお勧めできる感じかな。主人公のなぁんにも考えてない抜けた危機感ゼロな敵とのやり取りは好みだった。タイ映画ならではの抜けたギャグシーンとしては、今作が一番良かった。ギャグキャラではなく主人公が抜けているところがいい。アクション映画にはギャグだけのキャラはテンポを悪くするだけだから要らん。が、映画の緩急にこの具合は程良かった。

さて久しぶりにタイのアクション映画を漁ろうかな。
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