あつお

インサイド・ヘッドのあつおのネタバレレビュー・内容・結末

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

脳内には様々な感情が常に渦巻いている。その感情とは何なのだろうか。脳細胞同士の複雑な情報伝達により成立しているのだろうが、それを私達が想像するのは難しい。想像するのが難しいから、コントロール出来ず、時に怒り、時に悲しみ身動きが取れなくなることがあるのだろう。
そんな感情を視覚的に表現したのがこの映画、感情が「ヨロコビ」、「カナシミ」と言ったキャラクターとなって登場している。更に面白いのが、長期記憶が保存されている「棚」、重要な思い出が保存されている「島」、ふとした思考の彷徨いを表現した「列車」なども表現されていること。認知行動療法でも思考が彷徨っている状態、すなわちマインドワンダリングな状態を解決する手段として、思考を列車のように考える。心理学の表現を取り入れつつ、脳内の思考状態を上手に表現したのが本作品だ。
人生は常に平坦な道ではない。重大な出来事が起こるたびに喜怒哀楽を経験することになるが、同時に脳内では感情たちがコントローラを奪い合っているのだろうか。自分の中にも別の異なった人格が存在するのだろうか。そんな事を想像していると、負のイメージを抱いていた「怒り」や「悲しみ」と言った感情にも親しみを持ち、感謝の気持ちを抱くようになります。自分自身とも末永く、仲良く付き合って生きたいと思える作品でした。
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