キョーカイ

インサイド・ヘッドのキョーカイのネタバレレビュー・内容・結末

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ズートピア」と同じく、”難しいテーマを可愛いアニメーションで噛み砕いて描く”系。

アニメーションの良さって実写で描くと小難しくなったり、表現できなかったりするテーマをポップに子供でもわかるように描ける事だと思ってるから、「ズートピア」と「インサイドヘッド」はディズニーの凄さをしみじみと感じる。

テーマは、「なぜ人にカナシミという感情があるのか」「人間の脳の中ってどうなってるのか」

人間の中の感情をアニメーションで表現するっていうのがさすがすぎて...
それぞれの外見がしっかりマッチしてて可愛い。自分はムカムカが好き。

ただの思い出とコアな思い出を分けて描いているのも上手く、島として描かれているコアな思い出は主人公の人格形成に大きく影響しているため、これが無くなると感情が大きく崩れてしまう。でもメンタルが戻ってくれば新しいコアな思い出を作ることもできる。

トラブルはヨロコビとカナシミが司令部からいなくなってしまったところから始まっており、全編を通じてヨロコビとカナシミが人の感情の二大巨塔なことがわかる。

ヨロコビの感情が無くなってしまうと、全てがマイナスの方向に進んでしまい、最終的にはライリーは感情を失ってしまった。
作中では完全に感情を失った状態から復帰させることができるのはカナシミだけという描かれ方をしている。泣くことで悲しみを爆発させ、感情をリセットするという考え方。

確かに、疲れてちょっと感情を失うくらいだったら楽しいことからでも感情は戻ってくるけど、身近な人を失うとか人生の大きな節目(就職や進学など)で失敗したといった大きなマイナスから立ち直るには「泣く」という行為が重要な意味を持っているのかも。

そういう意味で、カナシミという感情は普段は出てこられると困る厄介な存在かもしれないけど、自分が一番ピンチの時には活躍してくれる諸刃の剣的な感情なのかもと思った。

最後、コアな思い出の島も感情制御盤も新しくなってるシーンで、悲しみを乗り越えていくことで強く、深い人間が作られていくんだよってことがしっかり描かれてた。


他にも脳の中で起こってることとして、夢、空想、長期記憶の貯蓄、必要のない記憶の破棄などが描かれてて、頭の中のことがアニメーションで実体化されているので見ててすごく面白かった!