けーはち

007 スペクターのけーはちのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
3.3
ジェームズ・ボンドが、最大の敵・スペクターと相対する。クレイグ主演シリーズの総決算的な作品。

★2015年はスパイ作品の豊作年だ。その締め括りとばかりに満を持して出た本作は、蓋を開ければ「007スカイフォール」よりの暗さを孕んだ、自ら過去の因縁と対峙する聖地巡礼の旅+懐古・原点回帰+クレイグ主演シリーズ纏めの流れで、凡作と言わないまでも淡白な評価に。

★「お約束」や「ご都合」をわざとそれらしく余裕綽々にやってのけるのは、おもしろいオシャレ演出だろう。例えば、あえて列車という移動手段を選んだのに車内に他の乗客がいないとか(あえて列車に乗ったのは食堂車でのディナーの画が欲しいからだと思われるが料理が出てくるフシもなかった)、刺客が単独でしか襲ってこないとか、それを予断してひとりやっつけたら即座にボンド・ガールとイチャつくとか、敵の寄越した送迎車にひょいと乗り込んでラスボスと余裕げにお喋りしている内にガツンとやられて気絶とか。現今のスパイ物にはないユルいノリは、あの映画がリアリティとは距離を置く一種のボンドの心象風景、象徴的で印象的な心の旅が綯い交ぜになっているんだと思う。

★そんなこんなで雰囲気も画面の明度もちょっと暗めで。MI:ローグ・ネイション、キングスマン、コードネームU.N.C.L.Eほどの突破力、爆発力に対峙しては印象薄いというのが正直。