カイ

007 スペクターのカイのネタバレレビュー・内容・結末

007 スペクター(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「007」を形作っているのはボンドだけではない。M、マネーペニー、Qと彼が作り出す奇想天外な兵器。それら全てが前作「スカイフォール」で戻ってきてからの第1作目が本作「スペクター」。今作ではそれに加えて更にボンドの宿敵スペクターが久し振りに帰ってきた。言わずもがなこれは往年のボンド映画への回帰を意味する。真の意味での「007」の完全復活が嬉しい。

それを象徴するかのように今作のボンドは従来の泥臭い戦いを展開することは無い。どんな戦闘でも終始余裕。これはクレイグ版ボンドでは初めてのことだ。それ故に、そのボンドに立ち向かう悪として「スペクター」という「組織」が置かれたことはある意味必然か。ブロフェルドの右目の喪失や、馴染みのペルシャ猫など、しっかりファンがニヤリと出来る要素も押さえてあるし、何よりユーモアが戻ってきたことで温かみのある映画に仕上がっている。個人的に残念だったのが、スペクターの魅力がクリストフ演じるオーベルハウザーに依存していた点くらい。

レア・セドゥ演じるボンドガールも素晴らしく美しい。ボンドと対等な目線で話すことが出来るガールは新鮮だった。

新旧どちらのファンも納得のボンド映画に仕上がっている。
カイ

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