プリオ

マッドマックス 怒りのデス・ロードのプリオのレビュー・感想・評価

5.0
もの凄いスピード感!
手に汗握るド迫力アクション!
いい意味で、シンプル過ぎるストーリー!
斬新で洗練された映像!
センス抜群の音楽!
ジョージミラー監督、70歳!

鑑賞後に出てくる言葉としては、
メチャクチャ面白かったわ〜
その満足感。
ただ、それだけだ。
あとは、何も残らない。
これぞ、ジャンクフード映画の頂点。  
何も考えずに、我が身を任せればいいだけの楽チンな映画だ。映画って、こんなんでいいんだ。いや、こんなんで、っていう言い方はあまりに失礼だ。今作は、「楽しませてやるぜ!」という気概を、画面越しから痛いほどに伝わる異常なほどの熱量を持っている。

難しいテーマとか、メッセージとか、メタファーとか、考えなくていい。いや、それではあまりにお粗末だ。少しメタファー読みをしてみよう。

マックス:自由
フュリオサ:意志
ジョー:秩序

つまりは、マックスとフュリオサが協力し、自由意志で秩序をぶっ壊そうという映画である。

「狂っているのは、どっちだ、俺か、世界か」
→映画「天気の子」、「マトリックス」、「ジョーカー」と同じ

自分がおかしいのか、大人がおかしいのか。
自分がおかしいのか、社会がおかしいのか。
→俺vs世界の対立構造
→最終的にマジカルな方法で世界に勝つパターンが多い


本作の物語は、セリフではなくアクションで語っている。最初から最後までひたすら荒野を爆走するストーリー。それを可能にしたのは、映画「スピード」のようにノンストップカーアクションという設定。あとは、「シリーズもの」であることを最大限利用して「説明」を省いたこと。

ジョージミラー監督は脚本を用いずに、何百枚もの絵コンテを張り出し、映画全編を描いていったそうだ。「視覚的な音楽」といった映画にしたかったらしく、ほとんどセリフがないのもそのためだ。

そして、激しいアクションシーンに大量の数の車もほとんどCGなしで、撮っているというのは驚きだ。

坊主頭のシャリーズセロンがカッコ良すぎる。悲しげな瞳で身体を張ったアクション。映画「モンスター」の時に只者ではないと感じたが、彼女の女優魂には感服だ。

ただ、この世界観が好き嫌いがかなり分かれそうなところではあるのも確かだ。
プリオ

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