怒りの道を行け、させばはじまりへと辿り着かん
何年か前にV6が特番で、廃材を使ってボートを作ってたんですね。ボートにドラムをのっけていて、マッドマックス怒りのデスロードの話題があがってたんです。特番放映時、まだこの作品を見てなかったので、あまりぴんとこなくて。
今放送されてる爆上戦隊ブンブンジャーでも、この作品に着想を得たであろう敵キャラが登場していたので、いつかはデスロード見たいな、って思ってました。ようやく見れました〜。
いやーー。。。世界観が世紀末すぎる。物騒にもほとがありすぎて、びっくりしました。
バイオレンスシーン、車の装飾等が目を惹きそうですが、本作の根幹には生と死、産み出す者と滅びる者の対比があり、内容は哲学的でした。
結局この作品のほとんどの登場人物は、何も生み出せないんですよ。だから、誰から命を奪わなければならない。女性の命を宿す力を必要としなければならない。限られた場所でしか草木や水もなくて、死と滅びがありふれた退廃した世界なんです。
その状況を打破できたのは、妊娠している女性らとの出会いがあったからだし、草木が育つ場所があったから。命の尊さ、生み出すことの難しさ、それらに対する圧倒的な尊敬の眼差し。それらを持つことのできない存在のちっぽけさ。
妥協なくぬかりもなく、その違いを残酷までに明確に描いているんですよね。
現実の世界は、種を蒔いて水をあげ光をあてれば誰だって命を育めるわけだから、なかなかこの作品のような退廃した世界を想像できないですけど。。。
生と死を描写するために、あえてこの作品の世界を貧しく退廃的に描いたのかな、と感じました。
草木水がありふれた世界って、人の心にとって優しい世界なんだなあ。環境が貧しくなると、それだけで人の心も荒れてしまうのかもしれないですね。