氷菓子

マッドマックス 怒りのデス・ロードの氷菓子のレビュー・感想・評価

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学校に行きたくない。学校という小さな社会にさえ足がくすむ自分が情けなかった。なんとか家を出てみたものの足はくすみ続け、死んだような目をして外の音が聞こえないように学校に欠席の連絡を入れた。
ふとマッドマックスが今日公開であることを思い出した。唐突に映画館に向かった。思い入れのあるシリーズでもないというか実は1しか観たことないし、実際に今回のようなきっかけがなければ観に行かなかったかもしれない。もはや身を投げるようにして、ただただ学校から逃げる気持ちと映画好きの使命だけを勝手に背負って、汗ダーダーになりながら映画館まで走った。
とんでもない作品だったことに変わりはないのだが、皆が言っている様な「最高のバカ映画!」というのとは違い、観終わった後にずっしりとした重みを感じた。僕が頑なに生きているからだろうか。70歳のジョージミラーの作品だからだろうか、貫禄があった、気がした。時には激しいMAD、時には静寂のMAD。そして、見てられないようなマッドマックス独特の、あの恐怖MADも現役だった。MADな感動も待っていた。とにかくそれら全てのMADが僕の頭にずっしりとのしかかってきた。70歳まで生き抜いてきたジョージミラーなりの生き様を見せられているかのようだった。「これがジョージ・ミラーだ!!ジョージ・ミラーとはこういう人間だ!!」と叫んでいるように。気丈な彼は、僕に「死にたい?ハッハッハッ、まだまだヒヨッコだな!」と笑っていた。
おかげで完全に威圧されてしまい、帰り道でもずーっとぼーっと歩いていた気がする。近くのお寺にある雑木林を散歩した覚えがある。
最近感受性が薄れている気がして映画の感想を書くのも一苦労なのですが、こんな生き様を見せられたら生きるしかないだろう、、、と、そう思えただけでも観て良かったと心から思ったのでした。
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