トドさん

思い出のマーニーのトドさんのネタバレレビュー・内容・結末

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

公開時は「ジブリが百合百合してる!」っていう話題ばかり耳にしたので(これもまたかなり偏った見方だと思うが)、ついついそういう見方をしてしまったけれども、個人的には結構好きな雰囲気の作品でした。
舞台が北海道で、Team-Nacksが声優として参加してるのも個人的に嬉しい。
監督の前作「借り暮らしのアリエッティ」同様、少女のある限られた短い期間での成長物語という点で共通していて、更に見終わった後に心地よい切なさみたいなものが残るのもこの監督ならでは...なのでしょうか。

夏休みに札幌から養母の姉妹の叔母夫婦が暮らす田舎町へ持病の療養でやってきた杏奈と、そこの湖の屋敷に現れる謎の少女マーニーとの交流の物語。
杏奈とマーニーの双方が心を開いていく過程を描きつつ、杏奈はマーニーの正体や生い立ちの真相へと近づいていきます。
ここらへんはもう伏線がかなり分かりやすかったので予想はつきましたが、それでも何というか、10代の感受性の高くて多感な時期に自分のアイデンティティやバックボーンを求めてクヨクヨして泣いてへこたれる過程、私は好きなので共感しました。

「今まで会った女の子の中であなたが一番好き」とか、女の子の友情ってなぜああも心の壁をスルリと越えて、赤面しちゃうようなセリフが出るんだろう。
そして絵になるのよねぇ。

あとやっぱりジブリ作品に共通する、背景美術の完璧な美しさ。
これだけでも癒された。