めしいらず

思い出のマーニーのめしいらずのレビュー・感想・評価

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
2.8
自分は愛されているのか。本当は要らない存在なのか。子供はそんな疑念を覚えてしまいやすい。両親を亡くし叔母の家で暮らす主人公が、不思議な懐かしい感覚に導かれるように己の出自に迫っていき、その過程で家族との繋がりを認識し、彼女が捕らわれていた屈託から解き放たれていく。そして傷んだ関係性を修復し、停滞していた人生が動き始める。境遇をいくら恨んでも何も変わらない。人との関わりは煩わしく、心を開くのは難しい。でもその過ちに自分で気づき、自分を変えなければ幸福には近づけないだろう。人とのつながりの中にこそ解答がある。
地味なジュブナイル映画ながら静かなトーンの語り口が好もしい佳編だった。
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