あんじょーら

思い出のマーニーのあんじょーらのネタバレレビュー・内容・結末

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

育ての母への違和感を感じている中学生の少女アンナは喘息の発作もあり、周囲に溶け込めないでいます。養母や医者の勧めもあり釧路の親戚の家に夏休みを利用して静養に行く事になりました。親戚の家は海辺にあり、唯一の趣味であるスケッチをしに海岸へ出かける毎日です。そこには古い洋館があり・・・というのが冒頭です。

かなりファンタジックな内容の少女の成長譚です。

周囲に上手く溶け込めないアンナと謎の少女マーニーの交流を通して他者とのコミュニケーションの重要性を知る内容になっています。そしてとても『女性』に焦点の当たった作品だと思います。

ネタバレは厳禁な作品だと思いますので、踏み込んだ発言が出来ないのですが、家族の物語だと思います。しかし、ほぼ全編にわたって男性は出てこない、とても奇妙な作品でもあると思います。そして縦の繋がりを意識させられる作品でもあります。

髪留めの演出は素晴らしかったですし、いつも思いますがジブリ作品の「水の描写」にはハッとさせられます。

女性の方々にオススメ致します。




アテンション・プリーズ!

それでもちょっとだけネタバレ有の感想もまとめてみたいので。
































非常に閉じた世界の中の物語で、しかも主要な登場人物がほぼ女性しかいないのが印象的でした。お屋敷を最初に見た段階(かなり最初)で既に想像力の世界(ファンタジー)である事は理解できるように作っていると思います。それよりも、想像の世界(ファンタジー)を自分一人の中にだけ存在させるのか、それとも他者と共有しようとするのか?を成長の鍵にしている部分が面白かったです。マーニーの存在が居たからこそさやか(新たに屋敷に住む少女)とのコミュニケーションがなだらかな導入であり得たのではないか?と思うのです。


試練としてサイロに向かうのはちょっとあんなっぽくなかったようにも感じましたが。


私は男だからなのかも知れませんが、家系を知る事での安心感や存在の揺らぎを支える、という事があまり感覚として理解出来ませんでした。ルーツを知る事で受け入れられる強さを持てる、養父母ではなく、生まれの父母や祖母の意識を知る事が養父母の事が許せる結果に繋がることには少し違和感を感じてしまいました。



そしてマーニーがやたらと身体接触を繰り返すのは、やはりあんなが求めているのだと思います、そして求めている以上に接触してくるのがマーニーなので、それを飲み込んでやっている、という受け身にたてることで自分への言い訳にしているような気にもなりました、積極的な拒否が無かったので。


最後に出てくる養母の告白がとってつけたかのような展開でそこは冷めてしまいますけど。