うめ

思い出のマーニーのうめのネタバレレビュー・内容・結末

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

思いのほか純粋な、大きな感動。


金曜ロードショーでたまたま鑑賞。放送無かったら見てないと思いますが、見てよかった!

ジブリと言えば夢の世界でしょ頭の私には、
マーニーの現実的そうな、地に足ついた画面が魅力的には見えなくて、
どうせ感動でしょ、泣いて抱きしめあうんでしょと、捻くれ食わず嫌い。

案の定、ジブリには珍しく現実的で苦しい背景と主人公たちの子供らしくない振る舞いに途中までは鬱々とした気分でみていました‥
マーニーの存在も意味わからないし‥

ところがどっこい!

終盤、様々な事実が明らかになり、主人公の中でのパーツが合わさっていくにつれ、物語中に私の中にたまっていった辛さも一気に浄化されていきました!

単純で記号的な感動を超えた、複雑かつ、上級の感動が、徐々に、丁寧に育てられていた土壌の上で一気に花開くのです。涙が浮かびました。
これが、カタルシスか!そう思いました。

静かな画面で、淡々と、派手な音楽もドラマチックな場面も少ないながら、しっかりと心打たれる、さすがスタジオジブリです。
児童文学の名作を映画化とのことで、ボリュームのある内容でしたが、美しくまとまっていて、上質のアニメ映画を見たという気持ちです。大切な人に勧めたくなります。


皆さま言われている通り、たしかにジブリとはいえこれは大人向き。子供には少し難しくて、少し怖いのかもしれませんね。大人が、子供の頃でも、今でも抱える寂しさとかを浄化できるような、そんか雰囲気です。

でもやっぱり場面は美しいながら少し退屈で、アニメ映画の浮世離れした世界観や派手な演出がない分、また見るかと言われればうーんです。
人生で一度、美しいオーロラを見た、そういう思い出にしたいような、そんな映画でした。
うめ

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