湿気を帯びた空間を剥き出しの台詞たちが飛び交い、薄汚いドヤ街の人間模様からは情欲と汗と生の匂いが立ちこめる。でもだからこそ、カラーになった時の開放感はひとしお。新世界と弟(と鶏)の危なっかしいままの美しさったらすごい。こんにゃくのあれは慈愛に満ちていて泣きそうになった。ポップだが生(性)の力みなぎるラストもgood!
何やらロマンポルノには10分に1回絡みのシーンを作らなければならないルールがあるそうで、ほんとうに元も子もないことを言えば濡れ場がウザったくなるくらい映画の出来が良いから普通の映画として撮って欲しかった。そもそも全くエロくないし宮下順子の2回目の絡みからは辟易としてしまった