Shelby

ブルックリンの恋人たちのShelbyのレビュー・感想・評価

ブルックリンの恋人たち(2014年製作の映画)
3.0
全体的に物語自体の深みや、人物描写が物足りない。故に過去にあったであろう親子・姉弟のわだかまりが理解し難く、感情移入がしづらい。
そして偶然的であったとはいえフラニーとジェームズが恋仲になるまでの距離感がなんとなく薄い。ふんわりと始まって、いつの間にか終わってしまう。情緒的な描写が足りずに、不完全燃焼だったという印象。

そうは言っても、恋愛とは一括りに出来るものでもないのは確かである。人に話すまでもない泡沫の恋だって、誰しもひとつやふたつ経験しているはず。それが本気であってもなくても、人によっては特別な思い出として心に閉まっていることも少なくない。今回もその類いのもので、たった数日間の、名前のつくことのない恋。だけれども互いにその瞬間は、相手に恋をしていた。決して過ごした時間の長さや築いてきた信頼の高さだけではない。一時の恋が一生の思い出になることもある。

アン・ハサウェイのショートカットが神がかっている点や、即興のギターに合わせて二人して高所恐怖症を冗談交じりに歌うシーンが素敵だった点を加味してこの評価。
Shelby

Shelby