変化 を教えながら変化をなによりもおそれている、優しく脆いひとつの孤独は、後ろめたさを孕んだもうひとつの孤独と静かに寄り添う。
抜け出したくても抜け出せない毎日の中で、お互いがそれぞれの出口の向こうに見えるの淡い光。
どうしてこんなことになってしまったのだろうと、わたしたちが知りえなかったように、彼にもわからなかったのかもしれない。
抱きしめるべき相手がいるというのはどんなにすばらしいことだろう。自分でないだれかの心臓の音が聴こえるということが。あと、柔らかくてあたたかいいきもの。
すこしだけ哀しげな、あたたかい希望の漂う、とてもすきなラストシーン。