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カンフー・パンダ3のmatchypotterのレビュー・感想・評価

カンフー・パンダ3(2016年製作の映画)
3.6
シリーズ3作目、最終章。
ついにポーが自分の存在と“龍の戦士”の意味を知る。

この敵がなかなか怖い。
牛、ドラゴンボールの牛魔王的な、剛腕で鎖鎌、ではなく、鎖包丁を手に、目を緑に光らせる。

カンフーの達人、師匠達の“気”を吸い取り、緑の翡翠にしてしまい、彼らを操り、そして、自分はその“気”で強くなり、精神の世界から肉体の世界に再び舞い戻ろうとしてくる。

かつてはあの亀の道士と共に道を歩んだが“気”の力に魅了され闇堕ち。
そこから再び“気”を集めて復活を賭けて、ポーの“気”も奪いにやってくる。

話は単純明快でよろしい。
結局はポーが対峙しないといけない展開で、当のポーは相変わらずフワフワしてるけど、いよいよ皆を引っ張る存在になっていく。

頼りない彼が、皆を先導することができるか、、、というと、たとえ彼が“龍の戦士”だったとしても難しいかも知れない。

しかし、彼のキャラクターから滲み出る暖かさや優しさが周りを突き動かす。頼りないならば、周りが彼を支える。
そして、彼もまた周りを頼り、相手の良いところに気付いてあげる。

そんなカンフーの強さ弱さ、生きた年の長さ短さ、立場の上下に囚われない本質が際立つ。
そして、その力の源が圧倒的な力を持つ個に対して結束を強め、抗える力となる。

和を持って尊しとなすみたいな、力を正面から受け止めたり、横に受け流したり、中国武術の力の使い方そのものが作品に宿ったようなシリーズ。

こじんまりとしているけど、シンプルで慌ただしくて、パンダの可愛さと敵が怖さの見た目の振れ幅が大きい作品。

タイガー、あのツンデレ具合がすごく好き。


F:1799
M:5061
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