森崎

未来を花束にしての森崎のレビュー・感想・評価

未来を花束にして(2015年製作の映画)
3.0
ある人が声を上げました、「『未来を花束にして』なんて邦題はいらない、原題の『サフラジェット』こそこの映画だ」
その声に賛同する人が現れました、話題に出すときも原題である『サフラジェット』を使用してTwitterなどに書きました
結果はどうでしょう、配給のつけた邦題はそのまま。邦題と原題がごっちゃに使われた結果か政治的な内容か、あまり世間で話題になってないようにも見えいつしか劇場公開は終了しました。

そして私はああ、何かサフラジェットサフラジェット言われていたやつか、とレンタルが開始され棚に並んだこの作品に手を伸ばす。


興味本意で触れたが最後、周りに流されて女性の参政権を求める活動に参加し中心人物にまでなってしまった主人公。いつしか宿った確固たる信念はなんのためだろうか。母親であり妻であったが女性としての権利を求めた結果母親であることも妻であることももはや人間であることさえも奪われた、それでも闘い続けた。それが過激な方法に転んでしまっても。

言葉より行動を、なんて言うけど本当に言葉は無力なのだろうか。わたしは言葉の力を信じたいし可能性を信じていたい。要求が通らなかったから武力行使に出るなんてのはただのわがままだし行動だけ切り離せば単なる脅威であり暴力であり犯罪だ。判事の心を揺るがしたのはモードの信念と言葉だったように、信じるに足る行動と言葉の力が後に何千も続く味方を見つけることであってほしい。


最後に、この映画を観て胸に刻みたいこと。参政権がこうして私たちの手にあるという過去を感謝し今を大事にするのではなくて、だからこそ私たちひとりひとりが今ある権利をいかに未来に繋ぐか考えより良く出来るか意識することが大事なのだと思う。
森崎

森崎