こういう地味なテーマが取り上げられるのは、嬉しい。
女性に選挙権があることを、つい当たり前のように考えてしまうが、たくさんの戦いを経て得たものなのだということ、どのようなロジックで女性は人間扱いされていなかったかを確認するには良い映画だと思う。
が、作品としては平坦な印象が残った。
投石、爆破など、過激な抗議行動がいくつも重ねられるのだが、主人公のモード以外、女性のストーリーが薄く、なぜ彼女たちが命をかけてまで闘うのが、分からないからだったと思う。
モードの凄惨な生い立ちや、親権がないことによる息子との別れが、抑えたタッチで描かれていたり、ヴァイオレットの娘を連れ出すシーンも台詞での説明が少なく、とても良かっただけに残念。
その意味では『ドリーム』の三者のストーリーの描かれたの方が秀逸だったなぁと思ってしまった。