Masato

猿の惑星:新世紀(ライジング)のMasatoのレビュー・感想・評価

4.8

復習(2024.05.09) 3回目?

猿の惑星 聖戦紀
War for the Planet of the Apes
に向けて復習

傑作っていうのはやっぱりずっと記憶に残ってるものなんだね。3年前に劇場で見た時の感触がまだ鮮明に残ってる。

今作を見て前作を振り返ったところ、創世記はかなり神話的意味合いが多いよね。人間が神で猿が人間。プロメテウスが人間に炎(文明)を与える。そして、人間が神に反抗する話。全く同じだよね。

ここから本格的にポストアポカリプスものになっていく。コミュニティを形成した猿たちとインフルエンザに抗体を持つ人間のコミュニティが衝突する。

非常にわかりやすい社会性があって、しかも富んでいる。
心の底で平和を望んでいても、争いは避けられない。そんな国間の争いは現在でも存在する。わかっていても起きてしまう。集団で生きていると意見の食い違いは存在する。
どっちが悪いとかどっちが良いとか、勧善懲悪で描かない。答えもない。どうしようもない無情感が哀しい。
このどうしようもない争いは朝鮮戦争を彷彿とさせる。(というか、南北問題がテーマの映画にありがち)

守るべきものがある人・猿ってのは意地でも守らなければならない。子を持つ親として、族のリーダーとして、人間の希望として…
憎しみと守る心が交錯する。より闘争心がわき上がる。でも、そこで争えば犠牲が出てしまう。本当に守るべきものとして必要な行為は相手を傷つけることではない。平和的解決なのだ。

ベトナム戦争、イラク戦争、南北戦争、第二次世界大戦…戦った後に何が生まれたのか?
…何も生まれなかった。
憎悪が人を動かす動力源なのはいつの時代もどの地域でも一緒。でも、憎しみは争いしか生まない。それでも、繰り返される歴史。今一度考え直す時。

VFXがかなり進化したように思える。WETAスタジオか?。細部まで描写されたシーザーたちの表情が素晴らしい。

次で完結。守るべきものがあるシーザーの行方は果たして。
Masato

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