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パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニストのYBSMPのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ニコロ・パガニーニというヴァイオリニストを題材にした映画。特に彼のロンドン公演以降にフォーカスを当てている。
内容としては若干のフィクションが混ざっており、すべてが史実ではない。
事前知識なし。調べながらの鑑賞

★★★★★
デイヴィッド・ギャレットの演奏シーン
パガニーニという人物の"人間性"の描き方
演技
★★★~★★
ストーリーの内容そのもの
その他すべての要素

・デイヴィッド・ギャレットの演奏シーン
世界的な超絶技巧ヴァイオリニストと呼ばれているギャレット×ストラディバリの演奏シーンは非常に美しく、一般的な想像のクラシックとはかけ離れた演奏の仕方・指ではじくひき方などは当時そう呼ばれていたパガニーニを再現している...とのことらしい。実際知識のない私ですら感動し心に残る演奏だった。正直、この映画の9割はここに詰まっていると思う。

・パガニーニという人物の"人間性"の描き方
"悪魔に魂を売った"とされる演奏技術とは裏腹に、人間性は最悪そのものだった。この部分をうまく描けていると思う。

・ストーリーの内容そのもの
この作品はパガニーニのロンドン公演を中心に描いているが、パガニーニの人生においてロンドン公演はほんの一部でしかない。フィクションも相まって、とっかかりにはいいけどこれを知識にはできないと思う。

・その他すべての要素
恋愛・心理描写などの動きがよくわからなくなるシーンが多かった。ほとんどは描写で察せられるが、それでも厳しいシーンもある。よく見ていないと見落としてしまう

・フィクション要素
1. ウルバーニ
敏腕マネージャ。"実在した従者フランチェスコ・ウルバーニと、興行師のピエール・ラポールを合成した人物"とのこと。
2. シャーロットとの顛末
史実ではシャーロットと駆け落ちしようとしたところを父に見つかり、スキャンダルになる。

以下感想
伝記や史実談いうよりヴァイオリン演奏の素晴らしさを伝えられる映画。演奏シーンだけでこの映画を見てよかったと思うくらい。
ウルバーニは彼を制御できたマネージャであり、彼が悪魔、ということなのかもしれない。演奏技術があっても宣伝できなければ、制御できなければパガニーニはただの道化でしかなかった。心を掌握し、制御した彼こそが、この映画での悪魔だと考える。
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