草間彌生風カメラの巨匠と水川あさみ、その前後の平岩紙とのやりとりが面白かった。
大島美幸がモテそうにもない男を、中性的なラインを保ったまま、さほど大島美幸という人の殻を破ることなく平然と演じているのは凄いなぁとは思うけど、あくまでも恋愛とは距離を置いたストーリー展開だから良いのであって、男女を意識した関係へと昇華しそうな終わりは、なんともいえない違和感が。やっぱりそれは、彼女が女性だからで。完璧に男に化けているわけではないからで。
それとタイムリーだから思うのだろうけど、普通の範囲から外れた人を優しさや常識では癒せない現実、それを周囲があまり深刻に受け止めてない悲劇、人間の善悪の紙一重な部分、なかなか闇は深いなと。ところが、そういう負の部分に関して、そんなこと何も無かったかのように終わる。妙な映画。
