まひろ

真夜中の五分前のまひろのレビュー・感想・評価

真夜中の五分前(2014年製作の映画)
2.3
結論から言うと、これは私の知ってる真夜中の五分前ではなかった。

まずは本多孝好原作の、直木賞候補ともなった真夜中の五分前を読むことをオススメしたい。私はあの小説がとてもとてもとても好きで、ノルウェイの森の二番煎じと言われようが、私はとにかくあの小説が大好きなのだ。

この映画は国籍の不明な不思議な魅力を湛えている。映像や独特の雰囲気からそれは伝わってくるはずだ。もしもこの映画を観ようとしたあなたが原作小説を読んでいないのならば、それは結構なことで、そのまま観て欲しい。だけれど、もしも原作小説を読んだのならば、私はこの映画を観ることを決して勧めない。
何故なら、肝心要の部分である、<ネタバレによる自主規制>を全くもってなかったことにしていて、あの原作にあった、<ネタバレ>ののちに迎えた崩壊後の内面の虚さと、その再生の旅という要素を一切孕んでないからだ。私自身の意見だが、真夜中の五分前は、結局のところ、<ネタバレ>との関係性の物語という作品なので、私はもう、そこが省かれている時点で完全に観る気をなくしてしまった。

私は三浦春馬の口から、「もう何年もしてないからやり方を忘れてしまった」という言葉が聞きたかったんだよ。。それは冗談にしても、彼女の存在がすっぽり抜け落ちてしまったのならばそれはもう真夜中の五分前とは言えない別の作品なので、もしも原作小説を読んだのならば、完全フルリメイクと心つもりをしないときついとおもう。
けどまあ尺的に予算とか厳しいものね。仕方ないよね。。。
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