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REC レック4 ワールドエンドの消費者のレビュー・感想・評価

REC レック4 ワールドエンド(2014年製作の映画)
3.5
・ジャンル
ゾンビホラー/アクション/サスペンス

・あらすじ
スペインの都市、バルセロナのアパートから発生した人間を凶暴化させる伝染病
封鎖されたその場所で唯一の生存者となったリポーターのアンヘラは鎮圧の為にやってきたSWAT隊員達の手で救い出された
その後、彼女が目覚めるとそこは航海中の見知らぬ船の上
アンヘラを救い出したSWATの医師、グスマンもまた状況が分からずにいた
船はリカルテという医師により徹底的な監視の下で管理されており、彼らが行っているという“研究”の内容も不明
そしてグスマンと相棒のルーカス達が情報を探り出した時、再び惨劇が巻き起こり始める…

・感想
POVホラーの火付け役でありゾンビ映画としても圧倒的な知名度を誇る「レック」
そのシリーズの4作目にして完結編

前作は1〜2で描かれたアンヘラ達と同じタイミングの無関係な結婚式場を舞台としておりPOVも序盤で終わってしまうという作品の肝を完全に潰した作品だった
対して今作は2作目の続きを描いているので一応シリーズの意義は成していたとはいえこちらも正直蛇足感が拭えない
しかも致命的な矛盾点が散見された

ここからはネタバレも入るけど2作目ラストではアンヘラがウイルスの根源である悪魔憑きの少女メデイロスから“寄生体”を移されていた
その上で再び彼女が主人公となっており、この事実は医師達が寄生体を元に解毒薬を作ろうとするという中盤からの展開に深く関わってくる
その後にどんでん返しがある訳だけどこれがまず後出しでどうとでもなる新事実だったし、船上でアンヘラの腹の中をうごめいていたアレは何だったの?となった
加えて真の寄生体の主にしても研究室のコードをどう解除したかが不明だし…

そして終盤の船の自爆について
本シリーズではゾンビウイルスの感染は血液と唾液を介して起こると過去作で明言されている
それを踏まえて考えると船を爆破したら感染者の体が吹き飛び海に流出するはずだからむしろ逆効果なんじゃないか?という疑問が残る(そもそも戦闘で浴びまくってるというのは置いておくにしても…)
「28日後…」みたいに原則を活かした悲劇を起こす事も出来ただろうに…
ラストにしても根本的な解決になっていないどころか更に事態が悪化するとしか思えない物だったし完結編にしてはいまいちスッキリしなかった
その後を少しで良いから匂わせてれば邦題通りの内容にもなったしまだ良かったんだけどなぁ…

ゾンビホラーとしては粗が目立つし船上を舞台とした血みどろなホラーが観たいなら今は「オオカミ狩り」という名作があるしでシリーズを完走したい人以外はまぁ観なくても良い内容だったかな…
とはいえ前作よりは遥かにマシだったし話も申し訳程度とはいえ前作とも繋がっていたので頑張っていた方だとも思う
前作では離脱していたジャウマ・バラゲロ監督が復帰してそうなったという事から戦犯がハッキリしてしまったのは悪いけどウケてしまったw
まぁ完全に脱線した駄作でシリーズを終わらせない為の尻拭いだったんだろうな、と…w

唯一個人的に良かったのは感染猿を鍋にぶち込んで焼き殺すシーン
映画において動物は無事であって欲しいとか全く思わないどころか都合良くそんな風にして欲しくないから殺すなら殺して欲しい
そういう考えの自分でもゾンビ化してるとはいえ悶え苦しむ姿が極めて生々しくて良い意味でキツかった
ああいう観ていてしんどいシーンをもっとやってくれてたら矛盾点とかもそんなに気にならなかったかも

総合的には決して良作とは言えないけど駄作とまでは思わないし前作の事情もあるからスコアは少しおまけしておきます…w
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