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イヴ・サンローランのNullのレビュー・感想・評価

イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)
3.3
1958年パリ、ファッションデザインの才能に溢れたイヴが20代という若さでディオールの死後クリエイティブディレクター契約、徴兵と精神疾患との闘病、セクシャルの悩みを経て、自らのブランドを立ち上げる。薬と愛と酒に溺れつつ、才能と向き合う「戦い」を支えるパートナーピエールの物語。

YSLの映画は3本あるようですが
本作はピエール視点の物語です。

全体的に
悩み、苦しみ、「戦う」イヴ・サンローランを
支えるピエールのお話って感じ。

ブランドの立ち上げには資本がいる
ランウェイの観客席の席順は高度に政治的
オートクチュールではなおさら針子は欠かせない

イヴができないことを
周りが支える

そうしてブランドはできている。

イヴ・サンローランはフランスでブランドを
立ち上げますが
生まれはアルジェリア
家族もアルジェリアにいて
当時アルジェリアは
フランスからの独立戦争の真っ只中でした。

才能あるイヴは20代にしてディオールの
クリエイティブディレクターに就任し
大活躍するも
徴兵令が出て、精神疾患に。
ディオールから契約を一方的に解除される。

結果的にはその事が幸いして
裁判で得た慰謝料を元手に
自分のブランドを立ち上げる事になるのですが。

1920年ごろにようやく参政権を女性が獲得し始めたばかりで
1950年代は女性の第二次ムーブメントの先駆け
アルジェリアの独立戦争があって
反体制文化が若者を中心に広がり始めていた

女性を解放したと言われる
イヴ・サンローランは
こうした激動の時代の中で生まれるべくして
生まれたんでしょうか…。



カール・ラガーフィールドを始めとした
ファンション界の現重鎮たちが登場し、
若きイヴらと交流し、
刺激し合い、
業界の今へと繋がる道をつくってきたんだ
と思うと胸熱な映画。


本作では、
イヴはディオールに入る前から
圧倒的な才能の持ち主として
登場するので、
できれば、
イヴの才能がどこからきたのか
そんなことにも触れる映画とかあると
観てみたいなーと思いましたね。
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