のんびり映画

ジャージー・ボーイズののんびり映画のネタバレレビュー・内容・結末

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

イーストウッド監督だけど知らないグループの伝記だし… アメリカでイマイチの評判だし… 映画館も遠いし… と、観ようか観まいか悩んでいた自分をジャージー流でシバきあげたくなる傑作だった

80歳を超えてミュージカルに挑戦しているだけでなく、登場人物が観客に向け語りかけてくるなど、今までのイーストウッド映画では観たことのない反則気味の演出を取り入れている。今の映画界で誰も敵わないような経験と実績を残しながらも、まだ新たなことに果敢に挑戦していく姿勢に感動した。

有名スターの人生紹介VTRのような退屈な伝記ではなく、斬新かつ簡潔でエネルギッシュな映画なので、全く知らない観客でも十二分に満足できると思える。
映画の主役ともいうべき数々の音楽も元の曲を知らずとも聴き惚れてしまう名曲ばかりで音楽には疎い私でも全く問題なし。

音楽業界は生易しい世界じゃない。フォーシーズンズも会社と詐欺まがいの契約を結んでしまったことからプロ・ミュージシャンのキャリアをスタートさせ、成功後にも自らの利益しか考えていない連中に囲まれていた。周囲を信頼しすぎることが危険な世界の中で、書類ではなく握手一つで契約を結ぶ「ジャージー流」の友情の場面は涙なしには見れなかった。

監督自身の若いころがチラリとTVに映る憎い演出は文字通り飛び跳ねるほどの嬉しかったです。ジョーペシも出ているとは聞いていたけど、役者としてではなくメンバーの実際の悪友で別の役者が”ジョーペシ役”を演じているとはしらなかったので笑ってしまいました。
エンドロールの大サービスシーンはあそこまでするならチラッとジョーペシ本人が出てきてもよかったんじゃないかな?

絶対に劇場に行ってほしい今年一番の映画ですが、全く関係がないのに貶されてたビートルズのリンゴスターは怒ってもいい。