mai

ジャージー・ボーイズのmaiのレビュー・感想・評価

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.9
素晴らしかったです!
ストーリーとしては暗い部分が多いのだけれど、メンバーが代わる代わるにカメラに語るシーンのおかげで、ハッと現実に引き戻してくれるので映画に過多に感情移入せずに見れました。

フォー・シーズンズは正直聴いたことあるーくらいで全然知らなかったんですが、映画を見てビックリ、あの曲もこの曲も彼らのものだったんだ…と。映画見終わって、速攻でiPhoneにアルバムをダウンロードしました。

にしても、トミーはクズすぎます。笑
彼がいなければ結成されることもなかった…という恩をフランキーは頑なに守りますが、彼の妻の言うように「聖人かよ」って言いたくなりました。それがフランキーの素敵なところでもあり、父親としてはダメなところですね。
メンバーの誰しもが大事にしているものがあって、トミーはメンツだったりなのに対して、ニックは家族、フランキーは音楽、ボブはフランキーという天才。こんなにもタイプの違う4人が揃って歌うというのももしかしたら奇跡的だったのかもしれません…そして、大事なものが違うからこそいつかは道を分かつ運命だったのだろうなと思いました。トミーのことがなくても、いつかは。

とにかく歌唱シーンが素晴らしすぎます。
今まで見たミュージカル映画の中ではダントツくらいで地味なのだけれど、一番映画の中に惹きこまれたような気がします。キラキラで一緒に踊りだしたくなるような歌ではなくて、彼らの歌を劇中の観客同様にうっとりと聴いてしまう感じです。トミーがフランキーという天才に過剰に肩入れしていたのも納得です。

クリント・イーストウッド監督って本当にハズレがない気がします…画的には地味目なものが多いのに、しっかりと映画の中にのめり込ませて離してくれない、そんな魅力に溢れてるように思います。
mai

mai